園長ブログ(8) 夜ならではの動物の姿を

高見園長

こんにちは。動植物園長の高見です。

 

東京オリンピックが開幕し、テレビの前で熱い戦いを応援されている方も多いことと思います。相変わらず不自由な生活が続いていますが、出場される選手の皆さんには、力を出し切れるよう頑張っていただきたいと思います。

ところで、オリンピック開幕と時期を合わせたわけではありませんが、当園でも夜間開園「ナイトZOO」が始まっています。

夜に開園することで、暗くなってからの動物たちの様子をご覧いただいていますが、今年は今までと少しやり方を変えたところがあります。フクロウやレッサーパンダを新たにご覧いただけるようになりましたが、目立たないけど大きな変更点だと考えているのが、いくつかの動物舎で照明を消したということです。

 

ナイトZOOは、夜の世界の動物たちをご覧いただくことに意味があります。せっかく暗くなってからお越しいただいたのに昼間と全く同じでは、行って良かったと思っていただけないでしょう。ですので、夜ならではの動物たちの姿をご覧いただきたいと考えています。

一言で「動物たち」と言っても、私たち人間と同じように夜になると寝てしまう動物もいれば、薄暗くなると活発になる動物もいます。例えば、多くの鳥やサル、クマなどの仲間は昼間に活動し、夜は寝ています。そのため、ナイトZOOでは動物の安全にも配慮し、ほとんどの鳥やサル、クマを非公開とさせていただいています。

とは言うものの、昨年までは主要な通路沿いのマンドリルやパタスザル、リスザルといったサルの仲間やツキノワグマなどは、暗くなっても寝室に明かりを照らして少し残業をしてもらっていました。しかし、今年からは室内の電気を消すことにしました。動物たちの自然な姿を、皆さんに知っていただきたいという思いからです。暗くなった室内をご覧いただくことはできますので、静かにそっと覗いてみてください。寝姿が見られるかもしれません。

奥の照明が消えている部屋の中にパタスザルがいます。動き回っていることもありますが、本来はお休みの時間なので、そっと見るようにしてあげてください。

 

その他の動物たちも、暗くて見えにくいと感じられる方がいらっしゃるかもしれません。しかし、次はもっと暗いナイトZOOを楽しんでいただけるようにしたいと、今から来年の戦略を練っています。月明かりのサバンナやジャングルを訪れるといったイメージのナイトZOOにして、そこで夜の闇の中に潜む動物を発見する興奮を味わっていただきたい・・と夢は膨らむ一方です。

が、まずは今年のナイトZOOを、ぜひお楽しみください。

 

ところで、暗いところで写真を撮ろうとすると自動的にスマホやカメラが光ってしまうことがあります。動物たちを驚かさないよう、写真を撮る時には気をつけて下さいね。

夏の夜の暗さを楽しみましょう。