園長ブログ(28) 国を超えての切磋琢磨

高見園長

こんにちは。動植物園長の高見です。

皆さんに、当園のことをいろいろとお伝えしなければと思いつつ、長らくブログへの書き込みができていませんでした。すみません。

先週、東南アジアのバングラデシュから、動物園の関係者10名がお越しになられました。日本の国際協力機構(JICA/ジャイカ)が行っている国際協力事業の一環として来日し、およそ10日間にわたって日本で研修を受けられました。その間に、神奈川、栃木、福島、愛知の動物園や水族館を見学されましたが、そのうちの一つが豊橋総合動植物公園・のんほいパークでした。

当園では、動物園や水族館で動物がより豊かに暮らせるようにする取り組みである環境エンリッチメントやハズバンダリートレーニングについてお話し、当園で行っている事例を見ていただきました。また、植物園や自然史博物館も見学していただき、様々な施設が集まることで、来園者の皆さんに生き物を様々な視点でご覧いただくことができることも紹介しました。さらに、多くの動物園や水族館が協力しないと、将来にわたって動物を飼育し守っていくことができないこと、またどのように協力すればよいかということについてもお話しました。

バングラデシュの皆さんはとても熱心で全く時間が足りず、新幹線の時間に合わせて切り上げなければならないほどでした。

日本で研修を行ったというと、日本の動物園や水族館がバングラデシュの動物園に対して様々なことを教えたように思われるかもしれませんが、私はそのように考えていません。日本の動物園・水族館の考え方や手技はご紹介しましたが、日本が全てにおいて優っているというわけではなく、参考になりそうな情報をお伝えしただけです。それぞれの国の状況に適した考え方や手技があるだろうと思いますので、それをお互いに見出していく必要があります。今回は、そのためにとても有効な情報交換の場であったと考えています。

今後、日本の動物園・水族館とバングラデシュの動物園がさらに協力を深め、お互いに向上していけることを期待しています。


2016年にバングラデシュの首都ダッカにある国立動物園を訪問した時に撮影した写真です。とても広い動物園でした。

 

長らくブログをさぼっている間に、このほかにも国際的な連携を強める出来事がありました。

かなり前の話になってしまいますが、6月23日に、シンガポール動物園やナイトサファリなどシンガポールを代表する複数の動物園を運営しているマンダイ・ワイルドライフ・グループと連携協定を結びました。相互の発展のために、動物の飼育繁殖や保全、動物福祉、普及啓発、人材育成など様々な分野で協力しようという協定です。

世界有数の動物園グループと連携したことで、今後いろいろと学んでいきたいと思います。もちろん、お互いに長所や短所がありますので、こちらもまずは情報交換からですね。


協定締結式での 浅井 豊橋市長と、チェン・ウェンファー マンダイ・ワイルドライフ・グループ副CEO

 

今年は、残暑が厳しく、9月中頃を過ぎてもまだまだ暑い日が続いています。この暑さの中での外出を、ためらう方も多いのではないかと思います。

豊橋総合動植物公園・のんほいパークでは、10月1日まで週末にナイトズーを開催しています。まだ、あと2週間は開催していますので、暑さを避けたいという方は、ぜひ日が暮れてからお越しください。