園長ブログ(30) 長らくお待たせしています

高見園長

こんにちは。動植物園長の高見です。

6月に当園にやってきたアムールトラのアースが、なかなか屋外放飼場に出ることができていないと以前お伝えしました。残念ながら、いまだに皆さんにお目見えできていません。大変申し訳なく思います。

現在も、閉園後の時間や休園日に、飼育担当者による見守りの体制を整えて屋外に出る練習を行っています。
アムールトラなどの特定動物(法律で定められた人に危害を及ぼす恐れのある動物)の飼育には安全面への細心の配慮が求められるため、施設に慣らす際には、動物がその施設で安全に過ごせるという確認が済むまでは休園日や閉園時間帯に練習を行わせていただいています。

最近は少しずつではありますが行動範囲が広がり、屋外では木製のやぐらなどに興味を示し、これまで使わなかった寝室にも自ら入るようになってきました。徐々に、自分の居場所と思える場所が増えているようです。
また、飼育担当者が行っているハズバンダリートレーニングには以前にも増して良い反応を示すようになっているため、飼育担当者との距離も縮まっているようです。

間もなく来園して半年が経とうとしているにも関わらずお目見えできていないため、開園時間中に屋外に出る練習を行ってはどうかとのご意見をいただいています。アースのことを気遣ってご意見をいただけることをありがたく思うとともに、アースをお持ちいただいている皆さんに対して心苦しく思います。

トラは大きく力の強い猛獣です。どのような場合にも放飼場から外に出てしまわないように、放飼場には高い壁や堀、電気柵などの様々な仕組みが備わっています。アースは、まだ堀や電気柵といった仕組みにほぼ近づいたことがありません。ですから、そういったものをどう認識しているのか、わかりません。アースがそれぞれの仕組みにどのように反応するのかを見極めた上で、お目見えとさせていただきたいと考えています。

アースや来園者の皆様ならびに作業者の安全と安心を最優先に進めていきたいと考えていますので、もうしばらくお時間をいただけるとありがたく思います。ご理解のほど、よろしくお願いします。

屋外で過ごすことは、アースにとっても大切です。引き続きアースの状態をしっかり見ながら、アースがアムールトラとして自然に、快適に暮らせるよう進めていきます。
アースを温かく見守っていただけるとありがたく思います。