ボリビアリスザルの人工哺育奮闘記

飼育員

昨年の7月23日にボリビアリスザルのオスの赤ちゃんが生まれました。

最初の数日は母親にしっかりしがみついていましたが、2日後の25日に母親から離れて1頭でいることを確認しました。

母親に返そうと試みましたが、再度抱くことはありませんでした。

この日から飼育員たちが母親代わりになる人工哺育が始まりました。

最初の頃は、3時間おきにミルクを飲ませなければいけません。

また、間違って肺に入らないように飲ませなければならないため、飼育員たちはヒヤヒヤでした。

夜間もミルクを飲ませるため、深夜の真っ暗な動物園に行きました。

夜の動物園は、正直怖かったです…。

ミルクの卒業が近づくと飼育員特製の離乳食が始まります。

粉ミルクとリンゴ、バナナ、ミルワーム、サル用ペレットをすり鉢で潰してスプーンで給餌します。

最初は、なかなか食べてもらえなくて苦労をしました。

だんだんと味に慣れ、自ら食べてくれるようになった時は嬉しかったです。

生後3ヵ月を超えてきた頃から体にリスザルの特徴でもある黄色の毛がしっかり生えてきました。

この頃は、まだ名前が決まっていませんでした。

「ピーピー」とよく鳴くためピースケ♂と名付けました。

ピースケ♂のピースは「平和」という意味も込められています。

本来人工哺育は、群れに帰れなくなってしまうなどの危険性があるため望ましいとは言えません。

しかし、ピースケ♂がここまで大きく成長してくれたことを飼育員一同大変嬉しく思っています。

現在は、一刻も早くピースケ♂が群れの中で母親と暮らすことが出来るように練習を少しずつ進めています。

これからもピースケ♂が群れに戻れるよう頑張っていきます!

サル担当飼育員 杉浦