ゾウ達に食べてもらう特別メニュー

飼育員

こんにちは。

ゾウ担当です。

 

 

当園のゾウたちのゴハンメニューは主に乾草で、他にもゾウ用のペレット・竹・根菜やリンゴ、季節によっては、園外で育てている生草を担当者が刈りに行ってそれらを給餌する事もあります。最近の1日のゴハンの総量は体の大きなダーナは70㎏で、1番体の小さなバヴァーニでも40㎏程食べています!

 

 

さて、題名にもある特別メニューはサツマイモと大豆と玄米で作ったお団子です。

その中身についてですが・・・

 

ビタミンを入れています!

ビタミンを添加する目的は、免疫力を高め病気になりにくくする事で、

ゾウヘルペス感染症の予防をしています。

 

ゾウヘルペスウイルスにはアフリカゾウよりもアジアゾウが罹りやすく、更に若い個体(0歳~8歳前後)は重症化し、発症すると致死的な結果になるとされています。

感染後の治療は難しくとっても恐ろしい感染症で、国内外の動物園でも実際に確認されています。

 

日和見感染で、病気やストレスなどによる免疫力の低下により感染が高まります。

そのため、現在、昨年当園にやってきた若い3頭、ドローナ、チャンパカ、バヴァーニに

免疫機能を高める為に必要なビタミンを与えています。

 

 

特別メニューといいつつ、

たちまち美味しくなさそうなメニューになりましたよね。

そうなんです。私たち人間でもこのようなものを目の前にすると飲む前から苦みを想像するし、実際に好みではない味であれば次から嫌気がさす事も。

 

ゾウ達にも、ビタミンや薬だけをあげるとなると嫌がり、

ある日突然、摂取しなくなってしまうかもしれません。

しかし、ここで大切なのは毎日確実に摂取してもらう事なのです。

 

現在あげているビタミンは、3頭中2頭分を食パンに切り込みをいれて流し込んでいます!

もう1頭、チャンパカは食パンだと食べなくなってしまったので、玄米と大豆、サツマイモを一緒に炊いて充分に冷ました状態で混ぜて団子状に丸めたものにビタミンと赤糖をいれて食べてもらっています。

 

 

こうして、毎日ルーティン化して食パンやお団子を食べてもらう事で、急遽投薬が必要になった時でもゾウ達に無理をさせずに自分で口に運んでもらうことが出来ます。

食べてもらうタイミングはゾウ達が室内に帰ってきて、ハズバンダリートレーニングの実施後にあげています。

 

 

現在はビタミンを入れていない玄米と大豆入りのお団子を採血トレーニング用として使っていることもあります!

 

ハズバンダリートレーニングを用いた健康チェックをはじめ、疾病予防も飼育担当者として大切な飼育管理の一つです。これからもゾウだけではなく、当園の動物達ができるだけ長く、そして健康に暮らしていけるように様々な面で工夫をしながら飼育管理に努めていきます!

 

最後に、豊橋はもう少し寒い日が続きそうです。来園される際は暖かい服装でゾウをはじめ、当園の動物たちに会いに来てくださいね♪