広島での会議に出席して考えたこと

研究員

こんにちは。

動物研究員です。

今回は動物園の会議に参加したお話です。

動物園には様々な会議があり、ゾウ会議やホッキョクグマ会議など楽しそうな名前の会議もあります。

(これらはそれぞれの動物の飼育や繁殖などについて話し合う重要な会議です。)

今回参加した会議は公益社団法人日本動物園水族館協会が主催する『動物園技術者研究会』。

この会議は動物園(一部水族館を含む)を対象とした症例、栄養、保全、教育などありとあらゆる研究成果を発表し、動物園職員の知識や技術を高めるために年一回開催されます。

動物園関係の会議の中でも最も大きな会議の一つで、関係者の間では『全国』と呼ばれることもあります(部活の全国大会みたいなイメージでしょうか)。

今回は広島で開催され、全国から100名を超える動物園関係者が集まり、50演題以上の研究発表が行われました。

私は『動物園で発生した動物による死傷事故の定量的評価と事故防止システムの開発』というタイトルで発表しました。

発表した内容については、もう少し研究が進展した後にこちらで紹介できたらと考えています。

 

今年は3年ぶりの対面での開催となり、私も大いに交流を深めることができました。

動物園という業種は、動物園同士でお互いの施設を視察したり、貴重な情報を交換したりと横のつながりがとても強い業種です。

動物園がなぜ切磋琢磨しながら横のつながりを大切にしているかというと、働く職場は違っても世界中の動物園が目指す保全や教育、研究、娯楽は同じで、かつ、それを達成するには動物園同士の協力が不可欠だからです。

しかし、そんな動物園同士の国際的な繋がりが今、揺らいでいます。

私たちが会議をしたり動物園で楽しく過ごしたりしている間も、世界では戦争で苦しむ人たちがいます。

そのような状況ではとても動物や動物園どころではありません。

 

今回の会議は、原爆ドームのある平和記念公園内にある会場でした。

会議の冒頭で日本動物園水族館協会の会長から “Zoo is the Peace” (動物園は平和そのものである)という言葉が紹介されました。

動物園の先人たちは様々な困難に立ち向かい、動物園の未来を築いてきました。

その中には動物園から平和を訴える試みもあり、現在も試行錯誤が続けられています。

原爆ドームを前に、今動物園が平和のためにできることは何だろうか?と考えずにはいられませんでした。