アザラシプールの落水掃除

飼育員

極地動物館のゴマフアザラシのプールは月1回のペースで水を全部抜いて掃除します。極地動物館には同じようなプールが、ホッキョクグマ、極地ペンギンにもありますが、極地ペンギンは1年に1回、ホッキョクグマとゴマフアザラシは月1回のペースで水の全入れ替えを行っています。今回はゴマフアザラシのプール掃除です。だいたい休園日に落水をしています。

 

早朝の茶々丸、しらたまはこんな感じでイカダの上とアクリルの出っ張りで寝ています!

 

掃除を始める前にまずは、水面に浮かんでいる筏を陸に挙げる作業から始めます。筏の素材自体はそんなに重くはないものの、水の浮力がなくなると大きいものなのでやはり重いです。陸場に引き上げる前に壁に固定している金具を取り外す時は、プールに落とさないように注意しながら外していきます。

(イカダを陸場へ引き上げると…こんな感じ)

イカダを陸へ引き上げたら準備完了!プールの水を全部抜きます!

段々と水が抜けていきます。全部抜けるのに1時間40分から2時間ほどかかります。だんだん減っていく水の中で茶々丸が円柱水槽に取り残されることがあり時々排水のバルブを閉めたりないといけないので、モニター監視をして様子を見ています。しらたまはいつものように泳いでいます。2頭とも多少いつもと様子が違うことは察知しているようですが、もう何度も経験しているので驚くこともなく泳いでいます。その間に陸場の掃除、他の作業を済ませておいて完全に抜けるのを待ちます。

 

水が完全に抜けたら掃除開始!脚立でプール底へ降りていきます。日頃の汚れを擦って流していきます。足元がぬるぬるして滑るので注意しながらブラシでゴシゴシ擦ります。その間茶々丸、しらたまはプールの底でぴちゃぴちゃとあっちへ行ったりこっちへ行ったり…掃除をしていると、気づかないうちに足元に来ていたり、デッキブラシが気になって近寄ってくることもあります。

午前中にはプールの底、側壁、ガラスをきれいにして掃除終了!脚立と掃除道具一式をプールから撤収して給水を始めていきます!満水になるまで約2時間かかります。満水になってからイカダを水面へ浮かべて固定していきます。落水掃除の作業の中で一番大変なのがこの作業になります。不安定な足元に加えてイカダもふわふわと動いてしまいます。ボルトナットや工具を水中へ落とさないように気を配りながらゆっくりと進めていきます。

作業がすべて終了!元のゴマフアザラシのプールへ戻りました‼

 

今後は年1回の極地ペンギンプールの落水掃除も予定しています。