パタスザルにあげてみた

旧飼育ブログ

こんにちは、パタスザル担当者です。

12月になって段々と寒くなってきましたね。

今回のブログは、4月~12月までにパタスザル達に与えてきたものを紹介したいと思います。

 

 

パタスザル達は通常のエサ以外にも、ヒマつぶしとして春夏はシラカシやヤマモモの枝葉を与えていました。

 

 

 

写真は6月のヤマモモです。赤い実は甘酸っぱくてパタスは好んで食べます。

葉っぱを食べてくれたらいいなと普段から与えていたのですが、パタス達は結構木の枝の部分も食べていて、夕方には木の皮が剥がれた状態になっています。

 

 

こんな感じでキレイに皮だけ食べます。

 

太くて乾燥した木の枝や、柔らかい笹や青草をあげてみるとガジガジかじって夕方にはボロボロになっています。

 

 

 

 

 

(8月に与えた青草はさけるチーズみたいにカジって割いていて、食べるというよりは遊んでいました。)

野生のパタスザルはアフリカに生息しており、主食は果物や昆虫なのですが、アカシア系の木の樹液であるアラビアガムも食べています。

当園のパタス達も木の枝などをガジガジとかじる事が好きみたいです。

習性なのでしょうか。

 

 

 

 

 

10月には秋の味覚として、栗やどんぐりをあげてみました。みんな夢中になって食べていました。

もちろん、中身を食べることが目的なのでしょうが、皮をガジガジする事自体も楽しそうに見えました。

 

 

必死に栗を食べています。

どんぐりも同じように好んで食べてくれますが、パタスザルの歯は結構鋭いので、どんぐりだとすぐに食べ終わってしまいます。

 

 

 

 

動物園の動物は、すぐにエサが手に入ってしまう環境にあります。本来、野生下では1日の大半の時間をエサを探すこと費やしています。

今まで述べてきたように枝葉などを与える行為は、飼育下でも、なるべく採食時間を長くすることによって、動物達のヒマな時間を短くし、

本来の行動を引き出してあげる採食エンリッチメントにつながります。

 

 

どんぐりは比較的すぐ食べ終わってしまうし、1日にそんなにたくさん与えられない。何か他にいいものはないかなと思い、今回クルミなどの硬そうな木の実を与えてみることにしました。

与えてみたものは、クルミ、カシューナッツ、ピスタチオ、アーモンドです。

おそらく全て初めて与える食べ物です。

どれが1番時間をかけて食べてくれるでしょうか。

 

 

 

 

 

 

早速結果発表です。

4位 ピスタチオ

どんぐりより早く食べ終わっていました。

 

3位 カシューナッツ

どんぐりと同じくらいでした。見た目もほぼどんぐりでした。

 

2位 クルミ

早く殻を開けてる個体もいれば、パタリロ(オス)に関してはすぐに食べるのを諦めて捨ててました。性格が出ます。

かじったり、床に擦りつけたり、高いところから落としたり、食べ方が個体によって色々で見ていて面白かったです。

 

 

 

 

ブルース(最年少)は開け方がわからなくて母親のメロディから奪い取ろうとしていました。やはり性格が出ますね。

 

 

 

 

 

おばあちゃんのオトメが1番殻を開けるのが早かったです。経験の差でしょうか。

 

 

 

 

 

1位 アーモンド

食べ物がわからなかったのか開け方がわからなかったのか1〜2個夕方になってもそのままでした。

私が見ている間(15分くらいですが、)アーモンドを食べれた個体はいませんでした。

 

 

 

食べ方がわからずフリーズするブルース

 

 

クルミとアーモンドは時間をかけて食べてくれる事がわかって良かったです。

通常エサでピーナッツを与えているので、

その代わりにクルミやアーモンドを与えるのも良さそうです。

 

 

また、1日5分と短い時間ですが、こんな感じで毎日オヤツを与えていたら、メロディとハーモニー以外は手渡しでオヤツを与えられるようになったので、コミュニケーションもとれたし、個体別の投薬など出来る事が増えそうで良い結果になりました。

これからも引き続き色々と試していきたいです。

長文になりましたが、最後まで読んでいただいてありがとうございました。

 

 

パタスザル担当