当園でJAZAの総会と勉強会がありました!

飼育員

5月21日、22日と豊橋総合動植物公園において、日本動物園水族館協会(JAZA)と呼ばれる組織の総会が行われました。そしてその翌日に、サテライト勉強会というものを当園主催で行いました。

この勉強会は、動物園水族館関係者数十人と、また一般のお客さん数十人(割合としては

8:2くらいでした)を対象に、今後の動物園水族館をどう考えるかといった内容の勉強会となりました。これを読んでいるお客さんの中にはもしかしたら参加したよという方もいるかもしれませんね。

そしてこの勉強会の内容の一部をざっくりとお話しますと、今、世界では野生動物の数がどんどん減っているなかで、世界中の動物園はどういった役割を今後果たしていかなければならないか。今までのようにただ動物を飼育し、お客さんに見てもらうだけというのはもう世界的にそんな時代ではなくなってきているという内容です。

当園でも以前から、野生動物の保護・保全や、種の保存のための繁殖等も力を入れて行っていますが、近年はそれよりも先を見据えた動物園、水族館のありかたをというものを常に考えながら行動をしていかなければならない時代です。とりわけ、欧米の動物園などは日本と比べると先をいっていると感じられます。様々な研究や保護・保全活動なども積極的に行っており、動物園で繁殖させたものをその種が減少している地域に戻す再野生化を積極的に行っているという話も聞きます。これは日本で有名なのは新潟でのトキの放鳥や富山などのライチョウの保護活動があります。

そしてただ動物を飼育して見せるだけでなく、その種の現在置かれている状況など様々なことを教育的に普及、啓発をしていくということがもう当たり前に行わなければならない時期にきているのだということ。

決してありえない話ではなく、近い将来、おそらくみなさんが当園でも見ているゾウやサイやキリン、その他の一般的に名前が知られている動物は早くても数十年、長くても100年以内には、何もアクションをしなければ野生や動物園では見ることができなくなる可能性があります。そういった危機感を持って私たちも日々動物たちに向き合い、何ができるのかということを少しずつ答えを見つけていかなければならないなと思った勉強会でした。